双子妊娠の帝王切開出産体験
双子妊娠発覚から
双子の妊娠がわかった瞬間、まさか自分が双子を妊娠しているなんて！喜びで心は弾んでいたけれど、同時に『無事に育てられるだろうか』という不安も大きく、複雑な気持ちでした。妊娠中に切迫早産の診断を受け、管理入院が必要になったときは、さらに不安が増しました。でも、入院中は不安やストレスと戦いながらも、赤ちゃんたちが無事に育つことを一番に考えて過ごしていました。
管理入院と出産準備
入院生活が始まってから数週間後、医師から予定帝王切開の日程が告げられました。双子の出産では自然分娩が難しいことが多いと聞いていたので、帝王切開を覚悟していました。しかし、先生からは「双子が二人とも頭を下にしているので自然分娩も可能だ」と言われ、帝王切開で意気込んでいたのですぐには返事をせず、帝王切開と自然分娩とどちらで産むかよく考えました。幸い旦那は私の意見を尊重してくれたので、最終的に赤ちゃんたちの安全を第一に考えて帝王切開を選びました。予定帝王切開は、コロナが流行りだす前のことでした。そのため、家族の面会やサポートが可能だったことが、精神的に大きな助けになりました。
手術当日の朝
出産の日、朝からは飲食・飲水が禁止されました。病棟の看護師さんが体温や血圧を測り、NSTで赤ちゃんたちの状態を確認しました。9時半ごろ、手術着のみを着てベッドで手術室に向かいました。
手術前の麻酔
手術室に入ると、明るい照明と機械に囲まれた手術台に移りました。麻酔科や小児科のスタッフなど手術に携わる全員の自己紹介を終えると、手術の準備が始まりました。体に大きな手術用シートをかけられ、手足を固定され、点滴が開始されました。心拍数をモニタリングされる中、自分の心拍数が速くなり、不安でドキドキしているのを感じました。手術室で流れていたオルゴールの音で気を紛らわせようとしました。
そうしているうちに麻酔から始まりました。横向きになり、体を丸め、背骨が出るように指示を受け、注射を打つ周りに大きく消毒液が塗られました。一回麻酔を入れました。そこまで痛くはない注射で、注射した付近がじわーと温かい感じになり、次に下半身麻酔の注射を打ちました。痛みはありませんでしたが、グーっと押し込められる感覚が気持ち悪かったです。切迫早産の時も同じように麻酔をしていたので、これで人生二回目の背中への麻酔でした。状態をもとの姿勢に戻し、麻酔科の先生が保冷剤を体に当てて麻酔の効きかくにんしました。下半身の感覚が次第に失われていくのを感じました。胸元近くまで感覚がなくなり、いよいよ帝王切開の手術開始です。
帝王切開手術
10時ごろ、担当の医師が手術の説明を終え、腹部の消毒が始まりました。カーテンで手術の様子は見えませんでしたが、麻酔科の先生が一つ一つの手順を説明してくれました。お腹を切開される感覚や内部が操作されている圧迫感はありましたが、痛みは全く感じませんでした。先生たちが冷静に会話しながら進める様子を聞き、私は特別な瞬間を迎えていることを実感しました。
10時50分、最初の赤ちゃんが取り出され、泣き声が響き渡りました。手術室のスタッフから「おめでとうございます！」と声をかけられ、早く顔を見たいという思いでいっぱいでした。小児科の先生が赤ちゃんの状態を確認した後、ふにゃふにゃ泣いている赤ちゃんが近くに来ました。その瞬間、涙があふれました。「やっと会えた！」という思いが強くなりました。
その後、もう一人の赤ちゃんも2分差で無事に取り出され、再び泣き声が聞こえました。二人目の赤ちゃんも近くで見せてもらい、元気な声で泣いている姿に安心しました。医師たちの手際の良さに感謝しながら、心の底から安心しました。
そこで、赤ちゃんたちはしばらく検査のために、病室まで会えませんでした。でも、赤ちゃんたちが無事であることが何よりの喜びで、すべての苦労が報われた瞬間で、やり切った思いでいっぱいになりました。
手術が終わり、切迫早産時に縫った子宮頚管の抜糸手術も行われました。その最中、内臓が引っ張り上げられるような、今まで感じたことのない激痛が走りました。麻酔が効いているはずなのに不思議でした。麻酔科の先生に痛みが出たことを伝え、麻酔を追加してもいましたが痛みは消えず耐えることしかできませんでした。手術を終えたときにやっと痛みがなくなりました。後々調べると後陣痛だったようです。双子だったので範囲が広く、ひどく感じました。
手術後の病室
手術後、ベッドで寝たまま病室に戻る途中で、旦那が待っていました。旦那も赤ちゃんたちに会っており、元気そうで安心したと言ってくれました。病室に戻ると、看護師さんと旦那と赤ちゃんたちが来ました。夫婦二人とも初めての赤ちゃんなので接し方に戸惑っていると、看護師さんにサポートしてもらい、初めての赤ちゃんを抱っこして写真を撮りました。看護師さんが退出した後、少しの時間、親子水入らずの時間を過ごすことができました。
一日かけて少しずつ麻酔が切れ始めてきました。お腹を切った部分の痛みはあまりなく、それよりもお腹と背中を中心に全体的な体の痛みがありました。でも、赤ちゃんたちと初めて対面できた感動が痛みを和らげました。赤ちゃんたちが安心して寝ている姿を見て、すべての苦労が報われた瞬間でした。
双子の帝王切開出産は、想像以上に感情の起伏が激しい体験でしたが、無事にこの子たちに会えたことが何よりも幸せでした。これからの育児に向けて、新たな不安や期待が待っていることは忘れて、ただただ今しかないその幸せな瞬間を味わっていました。
これから出産を控えているお母さんたちへ
双子の妊娠と出産は、喜びと挑戦が入り混じる特別なものです。不安や心配が尽きないかもしれませんが、あなたの強さと愛情が赤ちゃんたちにとって最高の環境を作ります。どんなに大変な瞬間でも、その先には喜びが待っていることを身をもって感じました。赤ちゃんたちの小さな笑顔や寝顔を見たとき、すべての苦労が報われると思います。これから出産を控えているお母さんたちが少しでも参考になれば幸いです。一歩一歩、あなたらしいペースで進んでいきましょう。
（免責事項）
このブログに記載されている情報は、一般的な情報であり、医療的なアドバイスではありません。 ご自身の状況については、必ず医師にご相談ください。また、2019年の経験をまとめているので現在の状況と変わっていることもあると思います。
